2019年12月に発表されたGIGAスクール構想に伴い、全国の小中学校に配布が進んでいるタブレット端末。
ほぼ全ての学校において1人1台のiPadが配布され終わりましたが、「タブレットは小学生にはいらない」「意味がない」「負担になっている」という意見も多くあるのが現状です。
タブレット学習が開始される前には、新しい学習方法や効率化等、メリットも多く想定されていましたが、実際導入された結果どうだったのか。
本記事では、小学生が1台ずつタブレットを持つことで生じたデメリットについて記載していきます。
小学生にタブレットがいらない理由
毎日持ち帰るため重い
防犯上等の理由から、小学校で配布されたタブレットは毎日持ち帰るという学校も多いです。
また学校でも使うという理由から、持って帰った翌日にまた持っていく事にもなるため、ただでさえ重かった毎日のランドセルがさらに重くなるという事態に。
iPadの重さはWi-Fiモデルで約500g弱ですので、カバー等付属品もつけると1kg近くになります。
ざっくりですが牛乳1リットルパックを毎日持って行っていると思うと「そりゃ重い」と感じる人も多いのではないでしょうか。
小学生だと基本は徒歩通学が多いので、学校から家まで、往復でずっと持ち運ぶと考えるととても重いですよね。
フィルタリングが弱い
配布されたiPadにはフィルタリング機能がかけられている事が多いですが、見ようと思えば学習とは全く関係のないサイトを見ることも可能です。
関係ないサイトを閲覧することで自身だけでなく、周りの友人に悪影響を及ぼすケースもあります。
またクラス内で利用されるメッセージ共有アプリ内でのやりとりによって、友人関係におけるトラブルにも繋がる可能性も指摘されています。
与えられる学習に慣れてしまう
タブレット学習は、学習した項目や学んでない項目の管理、また理解できた項目や理解できてない項目など学習管理のうえでは非常に優秀なツールですが、自らの自発的な学習としては不向きです。
わからない事について自分で解決策を考え、調べ、記載するという手順が必要なところ、先回りしてデジタル機器がサポートしてくれることで、自ら問題解決を行う能力が欠落するという指摘もされています。
リモートで利用する機会が少ない
感染症の拡大に伴い、リモート授業が実施された学校もありますが、現状は対面での授業がほぼ戻ってきており、リモートでタブレットを利用する機会も減ってきています。
結果、家に持ち帰ってもあまり活用されず、また次の日の登校時に持っていく、という状況になってしまうことも多くあります。
タブレット学習に頼らない事も重要
学校でのタブレット学習については紙の削減やデジタル社会への適応などのメリットもありますが、小学生がものごとを学ぶという観点においてはタブレットよりも紙の方が学習効率が良いのが現状です。
事実として、デジタル端末の利用によって学力が低下するというデータも出ています。
特に身体や脳が発達する小学生の時代においては、紙に書く、読む、調べるという一つ一つの動きが身体の成長に繋がり、学力の向上に繋がります。
家庭内での通信教育等でもタブレットは人気ですが、子供の成長のためにもう一度考えてみてはいかがでしょうか。