不登校の中学生を持つ親の心配事として最も大きい勉強の遅れ。
特に、学校で授業を受けていない場合、自宅での学習で学校の進捗に追いつけるかが心配になっている人は多いのでは無いでしょうか。
もし学校に登校する、となった時に、勉強の遅れが原因でまた不登校になったら、と考えると心配になりますよね。
本記事では、不登校の中学生が自宅で学習する方法や、気をつけるべきポイントについて記載しています。
不登校の中学生が自宅で学習する方法
学習環境を準備する
まずは、学習するための基礎となる「環境の準備」が必須です。
学習スペースを整備する
不登校の中学生が自宅で学習するためには、快適で静かな学習スペースを用意することが大切です。
本来、学校の教室で授業を受けている時は静かな環境であり、集中できる環境で勉強していますよね。
例えば家庭で、掃除機の音やテレビの音などが自然に入ってくる環境では、集中して勉強ができないため、防音等で静かな環境を提供するようにしましょう。冷暖房設備も必須です。
また学生側のやりやすさに応じて、リビング学習という選択肢もあります。
学習用品を揃える
自宅で学習するためには、以下があれば基本的には問題なく実施できます。
- 問題集、教科書
- 文房具(鉛筆、消しゴム、ノート)
- (場合によって)タブレット
これらの学習に必要なものを事前に揃えておくことで、学習がスムーズに進められるようになります。
教科書は参考書的な位置付けで読むと良いですが、親目線では、学校での進捗もある程度把握しておく必要があります。
学校での勉強の進捗は、担任の先生と共有しながら進めるのが良いでしょう。
学習計画を作る
学習をする際には、事前の計画が必要です。
事前の学習計画が学習効率の8割を決めると言っても過言ではありません。
学習の目標を明確にする
不登校の中学生が自宅で学習するためには、学習の最終ゴールを明確にしておく必要があります。
ゴールは中期的な目標(将来なりたい自分になる、特定の学校に合格する、等)と、短期的な目標(特定の問題集をやりきる、等)を立てておくと、より計画が立てやすくなります。
学習することでどのようなことを達成したいかを明確にし、目標を設定することで、学習の方向性を決めると良いでしょう。
学習する教科を決める
勉強を始める前には、今日は何を勉強するか?を決めておくと良いです。
学習する教科は、自分が得意としているものから、苦手なものまで幅広く決めると良いですが、最初から無理のある計画は立てず、スモールスタートで進めるようにします。
例えば、今日は数学の問題集1ページだけをやる、でも大丈夫です。
余裕があれば、少しずつ増やしていけばよく、最初から高い目標を立ててしまうと継続しづらくなってしまいます。
学習する時間を決める
学習する科目に合わせて、学習する時間も明確に決めておくと良いです。
学習する時間は、朝昼晩いつでも良いですが、自分が一番集中しやすい時間帯を決めることで、学習がスムーズに進められるようにしておくと効率よく学習できます。
学習がうまく進まない場合に取るべき方法
不登校の場合、学校での指導が受けられないため、1人で勉強しているときに難しい問題があると学習意欲が一気に落ちてしまう事があります。
その際に「助け」となる選択肢を用意しておくと、学習意欲がグンと伸び、日常的に学習をする環境が出来上がります。
学習アプリを活用する
いまはタブレットやスマホでも学習アプリが多くリリースされています。
学習アプリは、映像授業や問題を解くタイプのものが多いと思われるかもしれませんが、実は問題に対する質問に答えてくれるものも多く、分からない問題のサポートにも活用されています。
例えば「Rakumon」や「スナップアスク」等のアプリは、「写真で問題を撮影する」だけで、専属の講師が解き方を解説してくれるアプリです。
どうしても分からない問題があるときに活用するとよいでしょう。
塾や家庭教師を活用する
自宅での勉強に、常時サポートが必要なレベルであればオンラインの個別指導塾や家庭教師を活用すると良いです。
オンラインであれば自宅でも受けられますし、レベルも生徒それぞれに合わせたカリキュラムを組んでもらえます。
特に今は不登校の学生むけに専門で立ち上げられたサービス「ティントル」があり、専属の心理カウンセラーと学習のチューターの3人体制でサポートしてくれる手厚いサービスもあり、話題になっています。
勉強のモチベーションの維持方法
1人で学習する際に問題となるのが「継続性」について。
学習に対するモチベーションが維持できないと、三日坊主で終わってしまうことも。
「小さな成功体験」を積み重ねる
例えば、1日1ページでも問題集に取り組めた、という小さな達成感でも良いので、成功体験を積み重ねていくようにしましょう。
5分だけ机に向かえた、だけでも良いです。
少しの達成でも喜びを感じ、次により高い目標に進むことができます。
たったこれだけ、という発言はやる気を削いでしまいますので絶対にしないようにしましょう。
定期的に成果を確認する
自宅でも、模試等で試験を受けることは可能です。
定期的に試験を受けてみて、前回との比較をすることで、成果を確認すると良いでしょう。
方法が間違っていない限りは成績が伸び、よりモチベーションの向上につながります。
中学生であれば、進研ゼミ中学講座でも模試を受けることができます。
勉強効率をよりアップさせるために
基本的な勉強方法に加えて、より効果的に勉強するために気をつけるべきポイントを以下に記載します。
睡眠をしっかり取る
不登校で家にいる時間が長くなると、生活リズムは崩れやすくなります。
特に陥りやすいのが睡眠不足。
睡眠不足は成長期において成長ホルモンの分泌を阻害する原因となるだけでなく、集中力や判断力の低下となり翌日の学習効率の低下につながり、悪循環となってしまいます。
また、勉強したことはその日に睡眠を取ることでしっかりと記憶が整理されるため、身につくことが知られています。
睡眠はしっかり取るようにしましょう。
さらに、次の日の予定を気にせずに夜更かしをつづけていると昼夜が逆転し、より復帰が難しくなってしまうケースも多くなるため注意が必要です。
栄養バランスのよい食生活を心がける
食生活も脳の働きに大きな影響を及ぼしますが、不登校になると食生活も乱れがちになります。
嗜好品やインスタント食品など、手軽に済ましてしまうことが多くなる事もありますが、栄養バランスの良い食生活を心がけましょう。
良い食生活と生活習慣が、勉強効率の向上に寄与します。
日光を浴びる
適度な散歩など、日光を浴びることも集中力を高めるのに効果的です。
学習はメリハリが大事です。
ダラダラと長時間続けるより、時間を区切って休憩や睡眠を適切に取りながら継続することが肝要です。
まとめ
不登校の生徒が自宅学習時に気をつけるべきポイントについて記載しました。
自宅でも学習を継続することは可能ですが、本人のモチベーションがどこまで維持できるかが最大のポイントです。
家族全体で協力しながら、目標に向かって学習する習慣をつけましょう。