現代社会における問題点の一つとしても取り上げられることの多い不登校問題。
文科省の調査によると小中学生における不登校の人数は200,000人で全体の2%が不登校になっているという実態で、現在でも増加傾向にあります。
数としてはかなり多いのですが、問題は「不登校の理由がわからない事が多い」ということ。
いじめが原因で不登校になる事もありますが、実は理由が不明な不登校もかなり多くのケースとして存在する事実があります。
不登校の理由がわからないと対策も打ちようがなく、困っている親御さんも多いのではないでしょうか。
本記事では、以下の3項目について記載していきます。
不登校になる子とならない子の違い
以下、不登校になりやすい子となりにくい子の違いの比較です。
不登校になりやすい子の特徴として、良くいえば「感受性豊か」でもありますが、裏を返すと「神経質」とも取れます。
またある程度産まれもった内的要因による性格もありますが、周りの環境による外的要因によって形成された性格が寄与する面も少なくありません。
不登校になりやすい子の性格
以下、不登校になりやすい子の性格について1つずつ解説します。
人からの目を気にしすぎる
人からどう思われているかを気にしすぎる感受性の高い子は、何かをきっかけに不登校になってしまうケースが多いです。
このような子の場合、いじめだけでなく、友達との関わり、先生との関わり、勉強ができないなど、1つもしくは複数の要因が入り混じり、感情が整理できなくなり、やる気を失ってしまいます。
自分でやろうとする力が低い
他人に依存したり、他人のせいにしてしまうタイプの人も、不登校になるケースが多いです。
- 自分が上手くいかないのは親のせい
- 失敗したら怒られるのが嫌だ
- 誰かがやってくれるのを待つ
というタイプの子は、自立心が低く、他者の決定に依存してしまい、自分で解決する力が低いのが特徴です。
不登校であることも自分には問題がなく、他者や社会環境が悪いという感情を持つ場合が多く、自分を正当化してしまう傾向にあります。
自分勝手な言動が多い
感情的になり、自分勝手に物事を進める事が多い、上手くいかないと人に当たってしまう。
小さい子供の時は良くあるのですが、小学校高学年や、中学生になってもこのような言動が他の人に比べて目立つ場合、他者と衝突する事が増えて、孤立してしまい不登校になる場合があります。
不登校になる子を持つ親の特徴
性格については子供が生まれ持ったものも一部ありますが、親からの影響についても一定の特徴が見て取れます。
過干渉である
子供の危険を回避するため、大人としては色々と口に出したくなるものですが、あまりにも過干渉であると子供は失敗を恐れて自分から行動しなくなります。
子供が何かした場合、必要以上に叱ったり、咎めたりする事で、怒られる事を嫌がった子供は自分で判断する事をやめてしまい、指示を待ってしまう事も。
先述した「自主性の低い子供」になり、不登校になるリスクが増加します。
放置しすぎる
過干渉が問題であるという話は先述の通りですが、逆に放置しすぎるのも問題です。
子供がやった事に対して何もせず放置してしまうと、子供は何が良いことで、何が悪いことかの判別がつきにくく、自分勝手な言動に走ってしまいがち。
親への接し方がわからず、他者に対する接し方が学べないことで、きつい態度をとってしまったり、自分勝手な言動に走ることで、孤立してしまい、居場所がなくなる事で不登校になる傾向があります。
また、この状態から不登校になった子に対して「どうなりたいかは子供が決めれば良い」という態度は完全に逆効果です。
親からの愛情を感じていない状態がより強くなり、子供との距離がより深まってしまいます。
完璧主義である
親が完璧主義であることも、子供の負担になる事があります。
細かい事まで口を出してしまうことに加えて、子供に対して求める水準が高くなると、子供がプレッシャーに耐えかねて、現実から逃げてしまうというケースです。
ちゃんとしているように見えた子が急に学校に行けなくなった、と言う場合はこのケースに該当し、実は子供はずっと我慢していて、心の中のコップに不満の水がたまり、どこかのタイミングで溢れてしまった、と言えます。
子供の自主性を引き出す取り組みが必要
子供の自主性を引き出すためには、小さいうちからの取り組みが必要ですが、「結果を褒めるだけでなく、過程を褒める」という事が大事。
できた事、できなかった事、それぞれチャレンジした結果である事から、そのチャレンジを褒めてあげる取り組みが必要です。
既に親の言うことを全く聞かなくなってしまった場合もあるかもしれませんが、その場合は第三者に同様の取り組みを実施してもらい、子供の自己肯定感を高めてあげることが不登校解消への第一歩となります。